
27日、ポーランド出身で、その哲学的な作風で独自の世界を切り開いたSF界の巨匠、スタニスワフ・レム氏が心臓病のため84歳でお亡くなりになりました。
写真は代表作「ソラリスの陽のもとに」。(1965年発行のハヤカワ・ペーパー・バックス。スタニスラフ・レムと表記されている)
72年には映画界の巨匠アンドレイ・タルコフスキー監督によって『惑星ソラリス』として映画化され、アーサー・C・クラーク原作、スタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』と並び称される傑作と評価されました。
最近ではハリウッドでジョージ・クルーニー主演によりリメイクされています。
「宇宙には未知の世界が待っている」というテーマは、冷戦真っただ中でソ連とアメリカによる宇宙開発競争も熾烈を極めていた時代において、訳者飯田規和氏のあとがきにある、多様性の認識、人間自身の本性の理解といったことを著わしています。
映画版では、極限状態における人間の愛や道徳といった内面の世界をさらに深く描いています。
02年のスティーヴン・ソダーバーグ版のリメイク(未見)は旧版にはなかった説明的なシーンが挿入され、より理解しやすくなっているようですがアメリカでは不評だったようです。
ジョージ・クルーニーは「アメリカ人はもう少し自分の頭で物事を考えようとすべき」と言っていたそうですが。
レム氏はソ連邦と東欧共産圏の崩壊後はSFから離れ、政治評論やネット社会の技術的・倫理的問題のエッセイなどを発表していたそうです。
氏のご冥福をお祈り致します。