
零細三流デザイナーの私でありますが、雑誌や書籍等の制作に関わる者としてやはり看過できないことであると思われるので記してみます。
1月19日に自費出版大手の新風舎が、民事再生を断念し破産手続きを開始することになりました。
それに伴い、本の出版を依頼して契約を交わしながら出版される見込みの無くなった著者が約1100人、前払いした諸費用が約10億円に上るということです。
それ以前の2006年に破産した碧天社や、やはり自費出版大手の文芸社とともにこれらの会社の“共同出版”というビジネス形態は数年前から問題視されていました。
ここで自費出版と共同出版(あるいは協力出版)の違いを説明します。
自費出版とは、著者と出版社は制作請負契約を交わすだけで、本が出来上がれば著者に引き渡して終わりです。本を売ったりするのは著者自身。もちろん売ったお金は著者のものです。
共同・協力出版というのは、多くの場合商業出版と同じような本の販売を前提として出版社が出版権を持ち、費用は出版社と著者の双方で負担するという契約で、本の売り上げは出版社のものになります。著作権は著者にあるので売り上げに応じた印税は(契約に準じて)著者のものです。
ところが共同出版で問題になっているのは、全国の書店にあなたの本が置かれるなどと勧誘して、本の出版費用のほとんどを著者に負担させ、あげく出版した本はほとんど流通に乗らないというようなケースが多いためです。
自社で文学賞などを設けて応募してきた人に言葉巧みに勧誘して、出版費用に自社の儲けを上乗せして著者に負担させれば、実際に本が売れなくても会社側は全く懐は痛みません。
先の新風舍においても、既に出版された約600万冊(著者約1万5000人)が在庫のまま放置されているということです。
ではキチンと取次を介して流通経路に乗せれば本が売れるかというと…そうでもありません。