
ユダヤ律法に背き婚外子インマヌエルを生んだ母マリアと養父ヨセフは、宗主国ローマの課税台帳への登録ができずパレスチナの地を流転します。
ヨセフはダビデ王の末裔であり、ローマの支配に抵抗していた人々によってインマヌエルは救世主イエスとして反ローマの象徴とされます。
このようにして生まれた原始キリスト教ですが、その後のキリスト教は支配層と密接な関係を築き、中世には教会によるサクラメント(秘跡)を通じて結婚登録による教会簿という形で人々の支配を担います。
しかしフランス革命に代表される近代化・民主化により教会支配は打破され教会簿はうち捨てられることになり、ヨーロッパ諸国では登録による人々の支配は終わることになります。
支配者による徴税と結婚の管理、奴隷の供出を目的とした戸籍制度は中国で出来たものです。
日本にも伝わった登録制度は、古くは天皇家の奴隷台帳といったものでした。律令制により良民と賤民、嫡子と庶子の差別といったことが始まりますが、民衆の抵抗は根強く、時代は地方分権の荘園制に移行したことで中央集権のための戸籍はいったん立ち消えとなります。
全国的な戸籍の復活は明治政府が制定した壬申戸籍で、華族から新平民・土人といった表記も記し差別を広げたうえ、民間の習俗を破壊し戸主に絶大な権限を与え幾度かの改訂の後、男尊女卑・家父長制の「家」という概念が確立。天皇を頂点とする国民皆兵国家は戸籍による支配で完成を見ます。
さらには植民地であった朝鮮や台湾の人々も、創氏改名させられ皇民として徴兵・強制連行が行われたのでした。
1945年、第二次大戦の敗戦によって日本はGHQの占領下に入ります。
GHQは家族主義こそが中央集権・封建制の源だと、宮家の臣籍降下、財閥解体を行って分家や同族を追放し、戸籍は戸主権の廃止に加え三代戸籍を禁じて夫婦と子供だけの構造にし夫婦は平等としました。
しかし1951年に出来た住民登録法は地方自治の資料のためと言いながら戦前の戸籍や原簿がそのまま流用され、夫婦平等のはずの住民票に“世帯主”という表記がされます。さらに67年の住民基本台帳法改正により、再び国家行政のためのものとなってしまいます。
前置きが長い( ̄▽ ̄;